【仙腸関節障害】仙腸関節のロックを外す方法

「腰が痛い」「座ると骨盤の奥がズキッとする」「歩くと片側だけ響く」
それは仙腸関節の硬さが原因かもしれません。

痛みの場所が骨盤のとある場所を指1本で指し示す。局所的な部分に限られることが多いのが仙腸関節障害です。上の写真では親指で指し示しているところが仙腸関節にあたる部分です。

仙腸関節は“骨盤の要(かなめ)”で、わずかなズレ・硬さでも体全体の動きに影響し、長引く腰痛の大きな原因になります。

当院では、仙腸関節の専門的な評価と施術で、痛みの根本改善を目指します。

腰痛、骨盤あたりが重だるい、片側の足に痛み・重だるさがある。しかし病院に行っても良くならない。

もしそれが仙腸関節のつまりが原因の「仙腸関節障害」であれば、ポイントを押さえたある体操をおこなえば誰でも簡単に改善するようになります。

この章では、

  1. 仙腸関節の場所と働き
  2. 腸関節障害の判別方法
  3. 仙腸関節のロックを外すための「仙腸関節ロックはずし」

    を紹介します。

当院に来られている利用者さんはもちろん、当院発信のSNSで多くの方に喜ばれ多くの「いいね!」などの評価をいただいている体操なので、仙腸関節ロックによる腰痛で悩んでいる方はぜひこの体操を行ってみてください。

1、仙腸関節障害とは

仙腸関節が硬くなると、腰に大きな負担がかかり、慢性的な痛みにつながります。仙腸関節は、上半身と下半身の力を受け渡す重要な関節です。
ほんの数ミリの動きしかありませんが、その小さな動きが体を支えています。

もし、
・腰の痛みで片側のお尻や鼠径部(そけいぶ・あしの付け根)、下肢(かし・あし)に痛みがある。

・坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)のような足の痛み・しびれが出ている。

・病院受診でレントゲン、CT、MRIなどの画像検査では異常なしと言われた。

その腰痛、もしかしたら「仙腸関節痛・仙腸関節障害」かもしれません。

仙腸関節部の説明

仙腸関節はどこにある?

場所は腰のど真ん中ではなく、ちょっと外側。

出っ張りがある赤丸部分のところに痛みがある方、お尻、足に痛みがある方は「仙腸関節痛・仙腸関節障害」 かもしれません。

仙腸関節部の説明
仙腸関節

そして「関節」と言われると肩や肘、股関節のように自在に動かすことができる関節のように思い浮かべるかもしれませんが、この仙腸関節は他と比べて大きく動く関節ではありません。

一昔前では動かない関節とも言われていたこともあったのですが厳密には3~5mmのわずかな程度しか動かない関節というのが特徴です。

仙腸関節の役割とは

では、仙腸関節の役割は、肩や肘・股関節のように手足を動かすというよりも、身体の上半身の体重を骨盤で受け止める。そして下半身に上半身の荷重を分散させるといった役目を果たしています。

したがって、上体を支えるとっても大事な関節と言えます。

もし、これがうまく機能しなくなったときには上体を支えることができなくなるため腰痛・ぎっくり腰になってしまう恐れがあります。

仙腸関節が機能しないとぎっくり腰になりやすい

仙腸関節が機能しなくなる原因とは?

なぜ仙腸関節がうまく機能しなくなるのかと言うと普段の生活スタイルにあると言えます。

日常生活において中腰での作業が多いであったり、運動・スポーツにおける下半身の酷使、メンテナンス不足といった骨盤周りの筋肉の硬さが引き起こすものもあれば、妊娠・産後の骨盤のずれなども挙げられます。

これらによって仙腸関節の動きが制限されることにより、骨盤の動きがロックされます。
すると、

  • 腰の関節が代わりに動きすぎて負担増
  • 歩くときに片側ばかりに力がかかる
  • お尻や太ももの筋肉が過緊張になる

といった悪循環が起き、腰痛や骨盤の奥の痛みが続きやすくなります。

特に、座り仕事・反り腰・片足重心が多い方は仙腸関節が固まりやすい傾向があります。

中腰作業による殿筋群の酷使
中腰作業による殿筋群の酷使

2、判別の仕方・判別テスト

レントゲンやMRIといった画像診断では、骨の異常は判別できても関節の動きそのものは診断できないので仙腸関節障害を判別することは難しいです。

仙腸関節痛はレントゲンで判別が難しい

では、どの様にして判断するのかというと患者さんに痛みの場所を指で指示してもらう「ワンフィンガーテスト」を行います。

その指で指示した場所が上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく) のあたりであれば、仙腸関節障害を疑います。

仙腸関節の場所
仙腸関節・上後腸骨棘

上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく)
仙腸関節部分に違和感や痛みの訴えがあること以外にも、片側の臀部、お尻の外側、足にかけてなどにも痛みがある場合があります。

また術者による触診で、仙腸関節痛の判別と仙腸関節の動きがロックしているかの判別も行えます。

うつ伏せで足を上にあげるだけでも仙腸関節がロックしている場合には左足のように上がりにくくなっています。(股関節に病変がない場合に限ります。)

曲げている膝と反対側の骨盤を固定して、曲げている膝を床面に向かって押さえて痛みの有無を確認するパトリックテスト(仙腸関節テスト:股関節に病変がない場合に限ります。)

仙腸関節の動きの触診

実際に仙腸関節の動きが制限されている・ロックしているかを確認する様子は

まず、うつぶせの姿勢になっていただきセラピストは骨盤を持ちますそして左右の横方向に揺らします。

仙腸関節可動の触診

そうすることで患者さんは仙腸関節あたりに痛みもしくは詰まった感じの違和感を感じます。

セラピストは動きが重かったり詰まっている感じでわかります。一方向への動きが硬かったり重かったり、上後腸骨棘の動きが少なかったり。

本人も痛み・違和感で分かります。

セラピストは上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく)という出っ張り部分を触りながらそれを指標に左右の動き具合で判別できます。

ただ単純にうつぶせ肢位で骨盤の仙骨部分を上から押さえる、あるいは仙腸関節部を押さえるだけでもねじれが増強され、痛みが誘発されてわかります。

ではどのようにすれば詰まりを解除させることができるのでしょうか。

痛くないソフトな整体で関節の動きを回復

無理にひねったり押すことはせず、仙腸関節まわりの緊張をゆっくり解放していきます。

①仙腸関節にアクチベーターでロック解除

仙腸関節をアクチベーターで解除

当院では、「アクチベーター」という器具を用います。この器具で仙腸関節が開きやすい方向に骨盤を側方に押しながらアクチベーターでロックの解除を行っていきます。

一瞬ですが、これをし終えた後に再度、骨盤を揺らすと詰まりが取れた感じ、違和感が消えているのが実感できます。

他にもご自身で詰まりを解除する方法もありますので最後にセルフケアの動画も紹介させていただきます。

②骨盤を支える筋肉の調整

  • 大殿筋
  • 中殿筋
  • 多裂筋

など骨盤の安定に関わる筋肉の状態を見て、整えて再発を防ぎます。

③自宅でできるセルフケア指導

  • 股関節のゆるめ方
  • 正しい座り方

などありますが今回は自分でできるセルフケアの体操「仙腸関節がロックした時の体操」を紹介します。

3、仙腸関節のロックはずし体操

仙腸関節のロックはずし体操で仙腸関節を整えることで、
「腰の奥の痛みがなくなった」「朝がラクになった」
と多くの方が改善を実感しています。

ただし、

  • 非常に身体が硬い方などツラい方は控えてください。
  • ぎっくり腰でたまらない方は、無理しないで少しずつ行ってください
  • あくまでも痛くない範囲で行うようにしてください。

もしツラい方はそれよりも比較的、軽い運動方法もありますので、そちらでやってみてください。

では、仙腸関節の動きを出すための運動をお伝えしたいと思います。
まず骨盤の全体像をインプットしてからやっていただきたいのですが骨盤の骨には真ん中に仙骨と両側に腸骨があります。

仙腸関節

この間に仙腸関節があります。ここがロックして腰痛、もしくは腰痛になりやすい、ぎっくり腰になりやすいといった状態になります。

ではこのロックを緩めるための運動をお伝えしたいと思います。

これは寝ながらできますので、ベッドの上でもやっていただけたらと思います。れぐれも無理のないように痛みが出ない範囲でやってください。

仙腸関節ロックの外し方説明

ではまず、うつ伏せに寝てもらって、そして肘をついて両肘をそろえます

片方のひざ、股関節を下の画像のように曲げます

うつ伏せで肘を立てて揃えて、片方の膝を曲げます。

肩を床に向かってゆっくり倒します。反動をつけないでゆっくりと。

今度は反対方向に倒します。痛みが出る手前でとめます。

これを繰り返し交互に身体を倒します。仙腸関節が緩んでいくのを意識して感じながら行いましょう。

くっついている両肘を離して広げて適度に幅をとらせても良いです。

これで腰骨と骨盤が動きますので、
これを繰り返し動かしながら股関節、
特に股関節の内側の内転筋などの筋肉も緩めていきます。

ちょっときついなという方は

きつい方と思われる方は曲げている側のひざをちょっと伸ばしてもらっても構いません

身体、上体そらすのがきつい方は
胸・お腹の下に厚手のクッションあるいはバスタオル
を敷いてからおこなってもらっても構いません

無理しない程度で肩が付くように身体をひねります。

ということで、うつ伏せになって体を揺らしながら仙腸関節、腰椎・股関節を緩める運動をしましたが、一応、回数は10~30回を目安にしますが、回数はそんなに大事ではありません。出来る回数から、大事なことは続けて行うことです。

仙腸関節は「姿勢のクセ」に強く影響されるため、元の習慣に戻ると再発します。

大事なことは続けて行うことです。

決して痛みが出ないように。ゆっくり自分の体の硬さに合わせて倒せるところまで肩を倒してください。

膝・股関節も曲げれるところまで曲げて、出来る範囲で構いませんので行ってみてください。

こちらの動画でも説明しています。



その他の仙腸関節のロック解除法はこちら↓

仙腸関節のロック解除法-その2

こちら↓は、比較的、簡単にやさしく動きを引き出すことのできる運動です。

痛みの出ない範囲で行ってください。

背中を伸ばす運動として説明していますが、
仙腸関節の可動を引き出す運動にもなっていますので、ぜひやってみてください。

仙腸関節のロック解除法、その他

今回、ロック解除法について2つ紹介しましたが、

じつは運動は他にもたくさんあります。

更新中ですがまだアップしていない動画もあります。

今後、更新していきますのでチャンネル登録を。

配信中です。

自分でできるセルフケア動画を随時更新していますので、
ぜひご覧になってみてください。

YouTubeセルフケア専門チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCGcokGFkh9mg78-eTxuk87A

YouTubeセルフケア専門チャンネルで、
スマートフォン専用動画としてスマートフォンでいつでも見られるようになりました。

院長コメント

仙腸関節は小さな関節ですが、身体の要です。
腰痛がなかなか改善しない方ほど、ここが原因になっているケースは非常に多くあります。

レントゲンに写らず、見落とされやすい場所だからこそ、専門的な評価と施術が必要になります。

長年つらい思いをされている方、自分に合った改善方法を探している方はぜひ一度、当院にご相談ください。あなたのお身体の状態から症状の原因、改善方法までお話しさせていただきます。

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中腰の違和感・痛みは仙腸関節にあり

参考文献:『仙腸関節障害の診断と治療』

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