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当院に来られる腰痛でお悩みの方のなかで、足の痛み・しびれを訴える方も多くいらっしゃいます。この足の痛み・しびれについてお話ししようと思います。
この足の痛み・しびれについてですがこれも様々な原因があります。
発症の仕方で、突然にしびれが出てきたもの。それとも徐々に起こってきたものなのか。
それによって緊急性の有無が違ってきます。
受診する病院も何科にかかれば良いのか、整形外科ではなく脳神経内科の受診が必要な緊急性の高いものなど様々です。
今回、お話しする内容は、歩いているときに徐々に足に痛み・しびれが出てきてくる症状についてお話しをさせていただきます。
間欠性跛行(かんけつせいはこう)とは?
しばらく歩いているうちに足にしびれや痛みが出てきて、しばらく休むと楽になり再び歩けるようになるこの症状を「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といいます。
間欠性跛行は2つのタイプに分けられます。
「間欠性跛行」は主に神経性跛行と血管性跛行の2つにわけられます。
- 閉塞性動脈硬化症
- 腰部脊柱管狭窄症
間欠性跛行の症状とは?
基本的に症状はどちらも同じで、どちらも歩くと足が痛くなったりしびれが出たりします。
異なるのが、症状を改善させる時の姿勢です。休む時の姿勢によって症状の改善の仕方が変わります。
症状別の改善方法
閉塞性動脈硬化症 による間欠性跛行
①しばらく歩いて、
②足に痛みやシビレが出たときに、
③歩行をやめたら楽になります。
④落ち着いたらまた歩けます。
後述の脊柱管狭窄症の場合のように前かがみにならなくても、歩く動作をやめて休憩をするだけで症状は和らぎます。
閉塞性動脈硬化症とは
閉塞性動脈硬化症とは、足の血管の動脈硬化が進むことによって血管が細くなったり詰まったりして十分に血液を送ることができなくなります。
そして、歩いたときにふくらはぎから足にかけてしびれ・ 下肢の冷感が出現する症状のことを言います。
動脈硬化の原因は主に糖尿病・高血圧症・高脂血症・メタボ・喫煙といった生活習慣病の危険因子からくるものがあげられますので、足だけでなく全身のどこかでも血管疾患を引き起こすリスクがありますので注意が必要です。
閉塞性動脈硬化症の治療方法は
重症度合いにより異なってきますが、生活習慣病から起因するものであるので、生活習慣病の改善を図っていきます。食事管理や禁煙など。
また血流量の増加を図って運動療法を行い血液を送りやすい身体づくりをしていきます。
重症の場合は、詰まっている血管を拡張させるカテーテル治療やバイパス術といった手術が行われます。
腰部脊柱管狭窄症 による間欠性跛行
一方の腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行の場合は
①しばらく歩いていると、
②主に足に痛みやシビレが出たときに、
③座ったりしゃがんだり、膝をついて前かがみになると楽になります。
④落ち着いたらまた歩けます。
とにかく体を前傾姿勢に前かがみになった時に楽になっていきます。
脊柱管狭窄症とは
背中の神経の通り道である脊柱管の菅が狭くなり中を通る神経や血管が圧迫され血流が悪くなり、腰や足に痛みやシビレを生じさせる症状です。
その脊柱管狭窄症を生じさせている現象として以下が挙げられます。
- 椎体の変形や骨棘がでてくる
- 椎間板の膨隆
- 黄色靱帯の肥厚
- 椎間関節の変形
- 椎体同士のズレ
足のしびれ・痛みで当院に来る前に、自分で改善する方法
閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行の場合は、まずは病院受診して個々に合わせた治療をしてもらうことが望ましいでしょう。
脊柱管狭窄症による間欠性跛行の場合は、病院ですでに脊柱管狭窄症と診断されているのだと思いますが、間欠性跛行で足にしびれ・痛みが出現して身体を丸く休憩を行うと楽になっていると思います。
そんなあなたには、当院に来る前に自己メンテナンス運動で改善できるかもしれませんので以下の運動をやってみてください。
①自転車に乗って前傾姿勢でこぐ運動をする。
これによって身体を前傾姿勢に丸くなりながら体幹下肢の筋力をつけていき且つ、腰部のアライメントを修正していきます。
もし、ジムなどに通われていらっしゃる方は、エアロバイクを漕ぎましょう。
このときできるだけサドルを高くしてハンドルを低くして前傾姿勢を作ったうえでエアロバイクを漕ぎます。
あくまで無理ない程度で行うようにしてください。
②体幹前屈運動を行う
お腰の部分が反り腰タイプの方や体を起こしたままで歩く、つまり荷重をかけることが辛い。丸くしゃがんだり座る姿勢へ身体が逃げたくなっていますので、実際にそのような身体づくりをしていく運動を行います。
これが下の運動になります。
壁に手をついて背中を丸くする運動です。↓
壁に背中をつけてお尻が離れないよう固定しながら背中を丸める運動です↓
まとめ
歩くと足が痛み・しびれが出る方で間欠性跛行と言って、休憩をとることで楽になる症状の場合は、
閉塞性動脈硬化由来のものと脊柱管狭窄症由来のものがあるという事が分かりました。
そして閉塞性動脈硬化由来の間欠性跛行の場合は生活習慣病から起因することが多いため、病院受診をして適切な治療を受けていただき狭くなった血管を広げられるようにしなければいけません。
脊柱管狭窄症由来の間欠性跛行であった場合は、病院ですでに脊柱管狭窄症を診断を受けられていて病院などでこれといって有効な手立てがなかった場合には、まずは上記で紹介させていただいた運動や腰痛予防体操を行っていただくことで間欠性跛行の症状が現れにくくなると思います。
ただ、これで完治できますというものではありません。
これも痛み・しびれを抑えるだけの対症療法にすぎず、脊柱管狭窄を生じさせてしまった原因は別のところにありますので、ここを特定して解決させていく必要があります。
足の痛み・しびれを出さないようにするだけでなく、原因を特定して再び痛み・しびれが出ない体づくりをするまでに改善させることが大事です。
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